キョウチクトウ科ヤロード属

ヤロード

Neisosperma nakaianum (Koidz.) Fosberg & Sachet Makino

ヤロード
東京都小笠原村 2008. 6. 4

ヤロード
東京都小笠原村 2007. 7. 14

地域での植物の呼び名には,そこに住む人々がたどってきた歴史が色濃く反映される。

小笠原もその例外ではなく,欧米系の入植者が多かったため,英語由来の名前をもつ樹々が少なからず存在する。 例えば,シロテツの名はWhite iron woodと呼ばれていたことに起源をもつものであるし,アカテツは Red iron woodと呼ばれていたアデクの仲間と間違えられたことによって今の名前で呼ばれるように なったらしい。

ヤロードも,そういった経緯で生まれた和名のひとつである。 かつてYellow woodと呼ばれていたのが訛った結果,現在のようになったらしい。 確かに「イエローウッド」を英語風に発音すると「ヤロード」となるため納得がいく。 この樹の材は黄色を帯びており,昔は建材などに使われていた。果実も熟すと鮮やかな黄色になり,サイズも大きいのでよく目立つ。おまけに,落ち葉も黄色くなる。まさに「黄色い樹」という表現がぴったりだ。

【生育地】 低地のやや湿った場所に多い
【生活史】 常緑低木〜小高木
【分布】 小笠原諸島(父島列島,母島列島; 戦前,各島に植林された); 日本固有
【花期】 主に4〜6月
【備考】 南西諸島に分布するシマソケイは本種によく似ているが,花序あたりの花数が多く,果実が対になってつかないなどの点で異なる。 北硫黄島に分布するホソバヤロードは,ヤロード・シマソケイとは花冠の筒状の部分が長くて10mmもある点,果実が扁平で稜をもつ点などで 異なり,別属(Ochrosia)に分類されている。