キク科ツルハグマ属

ヤエヤマコウゾリナ

Blumea lacera (Burm.f.) DC.

ヤエヤマコウゾリナ
沖縄県西表島 大見謝川 2004. 3. 17

ツルハグマ属の植物はアジア・オセアニア・アフリカの熱帯を 中心に100種余りが知られる。頭花の中央に両性花が集まってその周囲を雌花が囲むこと, 芳香成分を含むこと等が 特徴で,ここでとりあげたヤエヤマコウゾリナのように,インドの伝統医学である アーユル・ヴェーダにおいて重要な薬草として用いられる種もある。

しかし,日本でのこの仲間の植物の扱いは ちょっとひどい。琉球では決して珍しくはないのに,写真どころか記載文さえない 図鑑が多いのだ。何故か。それは,おそらく地味な草姿のせいだろう。多くの種は 内地の伐採跡地などでよく見かけるダンドボロギクのパチモノのような, 華のない姿をしているからだ。個人的には,渋い魅力があるように思えて 好きなのだが。

【生育地】 路傍
【生活史】 一年草
【分布】 奄美・本島・宮古・石垣・西表
【花期】 3〜5月
【備考】 琉球植物誌(初島 1975)から解説文を引用:
「多少柔毛を有する1年生草本。茎は直立かつ上方で分岐多く, 高さ40〜80cmに達する。根生葉は長楕円形,長さ7〜11cm,幅3〜5cm, 円頭,基部は漸次せまくなって有翼の短柄となり,不規則な粗大歯牙縁 または時として下部付近で条裂し,上面には微毛を有し,下部には 灰色の柔毛がある。上方の葉は漸次縮小し,花序付近では苞状となる。 頭花は枝端に密集し円錐状または偽穂状に並ぶ。小梗は細く柔毛を有し, 長さ5〜10mm。総苞は鐘形,長さ6mm,幅10mm;苞片は4列,外片は 短線形で柔毛を布き,内片は長線形で鋭尖頭をなしてやや無毛,膜質。 雌花は長さ4mmで糸状。両性花は先端腺質;花冠は銀灰色で長さ4.5mm, ややざらつく。痩果は円筒形,長さ1mmで粗毛を散生し,10肋があり; 果床は無毛。」

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