キク科モミジハグマ属

オキナワハグマ

Ainsliaea macroclinidioides Hayata var. okinawensis (Hayata) Kitam

ヒレザンショウ
沖縄県西表島 2003. 3. 10

別名オキナワテイショウソウ。南国の雰囲気を微塵も感じさせない涼しげな花を咲かせるので, 密かなファンは多い。

同属のキッコウハグマやオクモミジハグマなどは秋に開花するが, オキナワハグマの花期は,暖かい気候のせいか翌年まで続く。しかし, 3月に訪れたときには流石にほとんどの花が綿毛になっていた。そんな中,唯一咲き残っていたのが写真の株。 もっとも,最初に見たときにはとても同じ種類とは思えなかった。

まず,典型的な株に比べて花序が貧弱である。普通は10個以上の花を長い穂のようにつけて見応えがあるのだが, 数個しかない。葉も本来ならはっきりとした鋸歯があるものなのに,この株ではほとんど全縁に近い。 その理由は,生えていた場所を見て合点がいった。散策路のど真中だったのである。 過去に何度も踏みつけられたりして,やや発育不良に陥ってしまったのだろう。

八重山の中でもとりわけ人間と自然との距離が近い西表島だが,訪れる観光客の中にはこんな小さな草花など 認識すらしない人も多いだろう。撮影からもう随分経つが,あの株が無事であることを祈っている。

【生育地】平地〜山地の照葉樹林内 【生活史】多年草
【分布】琉球列島各島 【花期】10〜2月