ハマウツボ科ハマウツボ属

シマウツボ

Orobanche boninsimae (Maxim.) Tuyama

シマウツボ
東京都小笠原村 2010. 2. 11

生育状況 花茎のアップ

常夏の島というイメージとは裏腹に,冬の小笠原諸島は日中でも長袖が欲しくなるまで気温が下がることも稀ではない。それ故,この時期は山歩きには最適なのだが,開花している在来植物が少ないため,回を重ねるとやや退屈になってくる。しかし,時には思いがけない出会いもある。たとえば,モノトーンの薄暗い林床に,突如として出現する黄金色。当地域では珍しい寄生植物,シマウツボだ。

日本産の他のハマウツボ属の植物の花茎は,白色や淡黄色を基調とした控えめな色調であり,本種とは趣を異にする。実際,同属の中でシマウツボに類似した特徴をもつ種は,中国の奥地にしか分布していないそうだ。宿主・オガサワラビロウの別変種であるビロウが,九州や南西諸島などに広く分布しているにもかかわらず,である。隔絶された海洋島は,他の地域ではすでに絶滅した種の最後のレフュージアとなっていることがよくある。本種も,そういった事例のひとつなのだろうか。

【生育地】 オガサワラビロウ林,オガサワラビロウ・広葉樹混交林内
【生活史】 多年草; オガサワラビロウ,モクタチバナなどに寄生
【花期】 3〜4月,10〜11月
【分布】 小笠原諸島(兄島,父島,母島); 日本固有