ツツジ科ツツジ属

セイシカ

Rhododendron latoucheae Franch.

セイシカ
沖縄県西表島 2005. 3. 12

西表に咲く花としては,最も知名度の高いもののひとつである。 漢字では聖なる紫の花と書く,神秘的な語感の和名。 山奥の渓流沿いという,到達することの困難な立地でしか見られない希少性。 そして,美しいながらも派手さを感じさせない,穏やかな桜色の花。 それら全てが,この島のもつ「人を寄せ付けない秘境」というイメージによく合う。

もっとも,その生態ゆえ,花を間近で観察できる機会は非常に少ない。 観光ツアーで訪れた人達の多くは,おそらく川沿いの遊覧船から 山肌に点在している株を眺めるだけになるだろう。それでも, 暗い常緑樹の密林の中にぽつりぽつりと浮かび上がる桜色のかたまりは, 実に幻想的で目を惹くものがある。

なお,国内では石垣島にも知られるが,個体数は少ない。また,奄美大島には近縁の固有変種であるアマミセイシカが 分布する。花柱に毛が生えていること,花冠の斑点が緑色を帯びることなどを除けば外観は そっくりである。

【生育地】 山地のやや湿った場所; 河川や渓流の近くに多い
【生活史】 小高木
【分布】 石垣,西表,−台湾
【花期】 3〜4月

セイシカ
沖縄県西表島 2004. 3. 10