ラン科マメヅタラン属

オガサワラシコウラン

Bulbophyllum boninense(Schltr.) J.J.Sm.

オガサワラシコウラン
東京都 2007. 7. 10

全体像1 全体像2 林内から

小笠原諸島を代表するランのひとつである。

丸く膨らんだ偽鱗茎をもつため草姿はカトレアの仲間に似ているものの, 花の雰囲気は彼らとはまったくの別物。暗赤色の複雑な斑紋のある側花弁と, 先端が合着する2枚の側萼片とが,独特の雰囲気をかもしだしている。 ラン科植物の花で最も目立つことの多い唇弁(中央の黄色い部分)は側萼片よりもずっと小さく, 基部が蝶つがい状に細くなっている。 このため,触ったりするとぶらぶらと揺れ,古い花では取れて なくなっていることもしばしば。昆虫の訪花の有無に対応している可能性もあり, 興味深い。

心ない山草愛好家や業者などによる乱獲の横行のため, 現在では,手の届きにくい大木の幹や岩場などを中心に少数の株が残るのみである。 環境の悪化による生育適地の減少も危惧されており,本種のおかれている状況は 大変厳しいといえる。なお,南西諸島に分布する近縁種・シコウランも絶滅の危機に瀕しているが, 本種よりも花の赤みが弱く,側萼片がより細長い点で異なる。また,オガサワラシコウランでは3〜4cmおきに偽鱗茎が並ぶが, シコウランではその間隔がずっと短いという。

【生育地】 空中湿度の高い地域の樹幹や岩壁などに着生
【生活史】 常緑多年草
【分布】 小笠原諸島 (固有)
【花期】 6〜7月
【備考】 絶滅危惧TB類 (EN)