ノボタン科ノボタン属

ノボタン

Melastoma candidum D.Don

ノボタン
鹿児島県大島郡龍郷町 2008. 6. 26

ノボタン
鹿児島県大島郡龍郷町 2008. 6. 26

奄美よりも南の島々では,梅雨の頃から,林道の法面などでノボタンが咲き始める。

花のつくりは牡丹に似ているとはいいがたいが,色はまさしく「牡丹色」− すなわち,鮮やかかつ深みのある紅紫色。さしわたしが6cmを超える大輪であることも 相まって,この地方の夏を代表する花のひとつとなっている。ただし, デジタルカメラによる撮影では,その華やかさを再現することは難しい。 上の写真でも,実物より白っぽくなってしまっている。

本種は南西諸島ではきわめてポピュラーな存在であるものの,野外で出会うことのない内地では 知名度はあまり高くないようだ。検索してみると,南米原産の園芸植物であるシコンノボタンと混同しているサイトが多いのに驚く。 シコンノボタンはノボタンとは別の属に分類される植物であり,よく観察するといろいろな部分が異なる。 たとえば,ノボタンの果実は水分の多い液果であるのに対し, シコンノボタンのそれは乾いた朔果である。

【生育地】 低地の明るい林縁,路傍など 
【生活史】 常緑低木 
【分布】 南西諸島(奄美大島以南); 中国南部,台湾,インドネシア,フィリピン 
【花期】 5〜8月
【備考】 小笠原諸島の北硫黄島と南硫黄島産の個体は雄しべなどの形態が南西諸島のものと微妙に異なるとされ, 変種のイオウノボタンとして扱われている。