ベンケイソウ科マンネングサ属

ムニンタイトゴメ

Sedum japonicum Siebold ex Miq. subsp. boninense (Yamam. ex Tuyama) H.Ohba

開花個体
東京都小笠原村 2010. 2. 3

雄性先熟かな?
東京都小笠原村 2010. 2. 3

ベンケイソウ科では唯一の小笠原固有の分類群である。

メノマンネングサ,タイトゴメ,コゴメマンネングサとは同一種内の亜種の関係にあるとされ,円柱形の丸っこい葉を互生させるなど,共通点が多い。しかし,生態の面では大きな違いがある。ムニンタイトゴメは,初冬から晩春にかけて花を咲かせたのち,地下に小さな白い鱗茎を作る。そして秋まで休眠するのだ。この性質は,他の3亜種には見られない。

小笠原では,夏季,南西諸島と同程度に気温が高くなるにもかかわらず,降水量が年間で最も少なくなる。天候が比較的安定しているため,日照時間も長い。過去には何度か干ばつも発生し,飲用水の不足や固有植物の枯死などが問題となった。本種が夏眠するのは,こうした過酷な環境をやりすごすための戦略なのだろう。吹きさらしの開けた岩場を好むため,尾根筋の散策路沿いにも生えているのだが,観光シーズンのピークには地上部がないので,どちらかというと人目にはつきにくい。

【生育地】 山頂部や尾根筋の日当たりの良い岩場や砂礫地など
【生活史】 多年草
【分布】 小笠原諸島(父島,兄島); 日本固有
【花期】 11月〜4月

上の2枚とは違う島で出会った個体。花弁が細いのは個体変異か,それとも?
東京都小笠原村 2007. 11. 19