ツツジ科スノキ属

ムニンシャシャンボ

Vaccinium boninense Nakai

ムニンシャシャンボ
東京都小笠原村 2010. 2. 3

花付きのよい株 花のアップ 咲き始め

2007年の台風4号は,7月という台風が日本に接近しにくい時期に発生したにもかかわらず,非常に強い勢力のまま鹿児島に上陸,日本の南岸を総なめにして大きな被害をもたらした。小笠原でも海のうねりが高い状態が続き,属島へ渡っての調査を断念せざるをえないこともあった。ムニンシャシャンボと初めて出会ったのは,そんな荒れ模様の日。強風吹きすさぶ尾根筋に,ひっそりと咲いていた。

暖地に分布するコケモモの仲間で本種に似ている種としては,奄美大島以南の南西諸島と台湾に分布するギーマと,本州から南西諸島,中国南部,台湾,マレーシアにかけて分布するシャシャンボのふたつが知られている。ギーマの花がアオノツガザクラなどを彷彿とさせる丸っこい壷形であるのに対し,シャシャンボのそれは細長い鐘形。和名が示すとおり,ムニンシャシャンボの花はこれによく似ている。しかし,花柄が比較的長い点,葯に刺状の突起をもつ点などの特徴が共通することから,系統的な類縁関係はむしろギーマの方が近いと考えられている。

【生育地】 陽当りの良い尾根筋や岩場など,やや乾燥した場所
【生活史】 常緑低木
【分布】 小笠原諸島(固有)
【花期】 主に1〜4月
【備考】 シャシャンボやギーマの熟した果実は甘酸っぱくて美味しいが,ムニンシャシャンボのそれは不味いらしい。