ラン科シュスラン属

ムニンシュスラン

Goodyera boninensis Nakai

ムニンシュスラン
東京都小笠原村母島 2009. 10. 20

ムニンシュスラン
東京都小笠原村母島 2009. 10. 21

小笠原諸島に自生するランの中では,比較的観察しやすい種類といえるだろう。

谷筋などのやや暗く湿った林,とりわけシマホルトノキの大木の下に モクタチバナが茂っているような場所を好む。母島では林床一面に広がった大群落に出会うことも稀ではないが, 全体に乾燥気味な父島列島では個体数が少ないらしい。シマクマタケランなど,本種に類似した環境選好性と分布パターンを示す 固有植物が他にも幾つか知られている。

真冬にひっそりと咲く花はシュスランの仲間としてはやや小振りである反面,花序あたりの花数は比較的多い。 控えめな色調の花ではあるが,華の少ないこの時期の小笠原の森においては貴重な存在。 事実,この日林内で開花していた植物は,外来種を除くとシマモチやヒゲスゲくらいしか見当たらなかった。

【生育地】 山地の湿った林内 
【生活史】 多年草 
【分布】 小笠原諸島(父島,母島); 日本固有 
【花期】 12月〜1月
【備考】  伊豆諸島に分布するハチジョウシュスランによく似ており,その変種として扱う見解もある。 両者の間には植物体のサイズや葉柄の長さ,葉の紋様(主脈に沿って白い帯が入るか否か)などに違いが認められるという。