アカネ科フタバムグラ属

マルバシマザクラ

Hedyotis hookeri (K.Schum.) Fosberg

マルバシマザクラ
東京都小笠原村 2009. 6. 6

白花品 花色の濃い株 植物体全体

珍奇な種類の多い小笠原の固有植物の中でも,とびきりの変わり者。 近縁種のシマザクラとともに,島を訪れた際には是非とも見ておきたい植物の筆頭である。

花や果実の特徴は間違いなくアカネ科のそれであり,分類学上は,フタバムグラなどと同じグループの一員として扱われることが多い。しかし, 彼らの多くが目立たない花をつける雑草であるのに対し,本種の茎は半ば木化して低木状になる。花のサイズもこの仲間としては異常なくらい大きく, 茎の先に群がって咲くため目立つ。 日本人にとっての花木の代表ともいえるサクラの名前を 冠しているのは,そんな様子にちなんでのことだろう。

マルバシマザクラの葉は,シマザクラのそれよりも幅広くて肉厚だ。 葉身の基部がくさび型にはならずに半ば茎を抱くことも手伝って,和名の通り丸っこい印象を与える。 両者の生態はかなり異なり,シマザクラが路傍や林縁などのやや湿った環境にも生えるのに対し,マルバシマザクラは 吹きさらしの岩場などの乾いた場所でしか見られない。上記のような葉の特徴は,こうした過酷な生育環境への適応の結果なのだろう。

【生育地】 日当たりの良い岩場など 
【生活史】 小低木 
【分布】 小笠原諸島(父島列島,母島列島,北硫黄島); 日本固有 
【花期】 5〜7月