クサトベラ科クサトベラ属

クサトベラ

Scaevola taccada (Gaertn.) Roxb.

クサトベラ
東京都小笠原村 母島 2008. 6. 8

クサトベラ
東京都小笠原村 母島 2007. 7. 10

和名の通り,葉はトベラを大きく柔らかくしたような感じ。 しかし,花の構造はアゼムシロやサワギキョウに近く, あたかも花の上半分が切り取られたようにみえる。 南西諸島や小笠原の海岸では普通に見かける木であり,また盛んに植えられてもいる。 母島の港近くの岬にもたくさん生えており,花の周りでは オガサワラクマバチがホバリングして他の昆虫を追い払っていた。

ハワイ諸島では,クサトベラ属の植物が島内の環境に応じて 種分化していることが知られている。島に最初に流れ着いたとみられる海岸生の種, それらから派生したとみられる乾燥した草原を好む種,標高の高い多湿林を好む種など,バラエティー豊か。 ハワイと同じく海洋島である小笠原諸島においても,ムラサキシキブ属やトベラ属などで似たような例がみられる。 しかし,ここではクサトベラの仲間は何故かまったく種分化していない。 沖縄を含めても,我が国に自生するクサトベラ属の植物はクサトベラただ1種である。

【生育地】 海岸近く 
【生活史】 常緑低木 
【分布】 南西諸島(屋久島以南),小笠原諸島; 東南アジア,南太平洋,オーストラリア
【花期】 ほぼ周年
【備考】 葉に毛が多い個体を品種ケクサトベラとして分ける見解もある。