クスノキ科シロダモ属

キンショクダモ

Neolitsea sericea (Blume) Koidz. var. aurata (Hayata) Hatus.

キンショクダモ
東京都小笠原村 2008. 01. 23

キンショクダモ
東京都小笠原村 2007. 11. 18

クスノキ科の常緑樹の葉は,特徴らしい特徴をもたないことが多い。しかし,シロダモは例外だ。 若い葉が金色の絹毛に覆われており,遠くからでもよく目立つのである。

通常,この毛はしばらくすると落ちてしまうのだが,木によっては葉裏にいつまでも残ることがあり,キンショクダモとして区別されている。 ただし,その程度は様々であり,一見しただけではシロダモと変わらないような木もあれば, まるで真鍮の箔を貼り付けたように見える木もある。 宮崎ら(2003)は,毛の残り具合だけではなく,花期の違いによって狭義のシロダモとキンショクダモを識別するべきであるとの 見解を示した。南西諸島などのキンショクダモは春に開花し, 秋咲きのシロダモと明らかに異なるという。

もっとも,この考えに従った場合,小笠原のキンショクダモをどう扱うべきか困る。彼らが通常は晩秋から初冬にかけて花をつけるためだ。 この地に分布するもうひとつのシロダモ属の樹種・ムニンシロダモとの関係も含めて,分類学的な位置づけを再検討する必要がありそうだ。

【生育地】 低地〜山地; 小笠原ではヒメツバキ・シマシャリンバイ林に多い
【生活史】 常緑亜高木
【分布】 伊豆諸島(利島),小笠原諸島(父島列島,聟島),九州(福江島),南西諸島(トカラ列島以南); 台湾(紅頭嶼)
【花期】 小笠原では10月〜11月
【参考文献】 宮崎 卓,山口泰民,星野義延,大場秀章(2003)伊豆諸島利島に分布するキンショクダモについて.植物研究雑誌 78:311-312.