ラン科イモラン属

イモラン

Eulophia toyoshimae Nakai

イモラン
東京都小笠原村 2008. 6. 13

イモラン
東京都小笠原村 2008. 6. 12

ランの仲間には特徴的な根茎をつくるものがあり,いくつかの種類ではそれが和名の由来に なっている。有名どころでは,エビネ,テガタチドリ,ノビネチドリなど。 小笠原諸島に固有のイモランも,そういった例のひとつだ。 葉をもたないため,地表に現れるのは花期から結実期の間のみ。 一年の大半を,芋のような地下茎だけの状態で過ごす。 ただし,花柄などは緑色を帯びているので,完全に腐生というわけではないのかもしれない。

花はタマネギの皮を彷彿とさせる半透明の飴色であり,暗い林内では落葉に紛れてしまう。 しかし,発育の良い個体では高さ50〜60cmの花茎に直径3〜4cm程度の花を多数つけるため, 島でみられるランとしてはボリュームのある花序をつける部類だといえる。 もっとも,花期が限られているうえ,アフリカマイマイによる食害を受けやすいので, 新鮮な状態の花を見るためには運が必要である。

【生育地】 山地のやや湿った林内 
【生活史】 腐生の多年草 
【分布】 小笠原諸島(父島,兄島,弟島,母島); 日本固有 
【花期】 6〜7月
【備考】 九州,南西諸島から東南アジアにかけて分布するイモネヤガラに近縁であり,草姿はよく似ている。