デンジソウ科デンジソウ属

ナンゴクデンジソウ

Marsilea crenata Presl

ナンゴクデンジソウ
沖縄県八重山郡竹富町 西表島 2003. 10. 22

デンジソウ類は,水田や湿地などに生える一風変わったシダの仲間だ。 地表を這いまわる根茎から何本も柄を伸ばし,その先に4枚の葉を つける。その様子が漢字の「田」を連想させるため,こんな和名がついた。 水位が高い条件では,柄を長く伸ばして葉を水面にペタッと浮かせるので, 更に田のイメージに近くなる。

水田の縁で四つ葉のクローバーにも似た葉をよく見かけたのは昔の話。 今では,その姿にお目にかかれる地域は少なくなった。農薬の普及や 水田の放棄などが,その背景にあるらしい。しかし,南西諸島 の一部ではまだまだ健在だ。写真の個体も,西表島のとある谷間の水田で 見つけたものだ。ただし,正確な種名は分からない。

この仲間,日本ではデンジソウとナンゴクデンジソウの2種が 知られているのだが,両種を確実に識別するためには,胞子嚢果の生え方を チェックする以外に方法はない。デンジソウのそれが葉柄の途中から出るのに対し, ナンゴクでは葉柄の基部から出る。 ところが,写真の個体にはそもそも胞子嚢果が見当たらなかった。

環境庁のRDBではデンジソウが 沖縄県から記録されていないので,ここでは仮にナンゴクとして掲載したが, デンジソウが西表島にも分布するという文献もあり,同定には全く自信がない。 いずれ,再挑戦したいところ。

【生育地】 水田,湿地,池沼など
【生活史】 浮葉性または抽水性のシダ植物
【分布】 九州以南
【備考】 絶滅危惧TB類(環境庁 2000)

ナンゴクデンジソウ
沖縄県西表島 白浜 2004. 3. 17