アカネ科ハナガサノキ属

ヤエヤマアオキ

Morinda citrifolia L.

ヤエヤマアオキ 未熟な果実
東京都小笠原村母島 2009. 6. 12

熟すと白くなる風変わりな集合果が特徴的な樹木。世界の熱帯や亜熱帯の沿海地に広く知られる 種類だが,日本に限ってみれば分布域は狭い。

新聞や雑誌の広告欄には,様々な効能を謳った自然食品が入れ代わり立ち代り現れる。 その中のあるものは注目を浴びて流行し,あるものは売れ行きが 振るわずに消えていく。数年前,ヤエヤマアオキがノニという商品名で世間に紹介されたのも, こうした流れの中でのことだった。万病に効く神秘の果実という謳い文句の真偽は分からないが, 今ではちょっとしたヒット商品となっている。

ところが,このブームは思わぬ問題をも生み出した。乱獲である。 高い商品価値に目が眩んだ一部の業者が,南西諸島に自生する株にまで手をつけたのだ。 徹底的な採集が行われ,地域によっては個体がほとんど見られなくなるまでに減少した。 現在出回っている商品の多くは海外の圃場で栽培されたものに由来するようだが, 自生地に残された傷跡は当分癒えることはないだろう。 わたしが西表島で初めて出会った個体もひとりぼっちだった。

【生育地】 海岸近く
【生活史】 小高木
【分布】 小笠原諸島,沖縄群島,大東,八重山群島 −台湾,南中国〜インド,マレーシア, 豪州,ポリネシア
【花期】 ほぼ周年
【備考】 店頭には「ノニ」という名で並ぶことが多い