タコノキ科タコノキ属

アダン

Pandanus tectorius Sol. ex Warb.

アダン
沖縄県八重山郡竹富町 西表島 2005. 3. 13

わした山原のあだん葉のむしろ敷かばいりめしやうれ首里の主の前−

琉歌にこう詠われたように,アダンは昔から人々の生活に深く関わってきた。 頑丈きわまりない葉は乾燥させてからゴザや草履に,タコの足のような支柱根 は細かく裂いてから縄にして手提げ籠などに。明治から大正にかけては, 漂白した葉で作った夏帽子が国内外で人気を博した。 海岸近くにしばしば大群落を作ることから,防潮林として植栽されたこともある。 もっとも,今ではこれらの需要はほとんどなくなってしまった。

葉の縁と裏面の中央に鋭い刺が並ぶ点といい,熟すと黄橙色になって甘い芳香を 放つ集合果といい,雰囲気は何となくパイナップルに似ている。 実際,沖縄地方を初めて訪れた人はよく見間違えるのだそうだ。 確かに果実は食用にはなるが,あまりおいしくはないらしい。 なお,ヤシガニがこれを特に好んで食べるのは有名な話。 その筋の人達には,1989年に発見された珍虫・ヤエヤマツダナナフシの食餌植物としても知られる。

【生育地】 海岸近くの砂浜など
【生活史】 常緑小高木
【分布】 トカラ列島以南 −熱帯アジア,ミクロネシア,ポリネシア