ケシボウズタケ科

ナガエノホコリタケ

Tulostoma cf. fimbriatum Fr. var. campestre (Morg.)

ナガエノホコリタケ Tulostoma fimbriatum var. campestre
茨城県ひたちなか市 2003. 7. 28

鹿島灘に面したひたち海浜公園で,ある希少植物の分布調査をしていた時のこと。この 公園の南側には,広大な砂丘が広がっており,様々な海浜植物が自生する天然の箱庭 のような風景になっている。 その中を地表を舐めるように見ながらひたすら歩くのだが,なかなか目的の植物は見つからない。

腹いせに時々見つかるノウサギの乾いた糞を蹴っ飛ばしたりしていた のだが,そのうち少々様子の違う糞が見つかった。よくよく調べてみると, その糞には柄が着いており,地面から生えていた。それがこの珍妙なキノコとの出会いだった。

ケシボウズタケ属(Tulostoma)は日本に少なくとも5種,世界に100種以上が知られている。 いずれも幼菌時は地面の下に隠れていて球形だが,成熟すると柄を伸ばして頭部を地表に押し上げる。 頭部にはやがて孔が開き,胞子を飛散させる。

日本産の種の多くは発生場所が海岸の砂地と やや特殊なため,その存在は一般にはあまり知られていない。しかし, その気で探すとあちこちで 見つかるようだ。写真の菌は,褐色で樹皮のようなささくれのある 太めの柄が特徴的。手持ちの文献ではナガエノホコリタケに似ているが, 胞子などを検鏡していないので正確には種名不詳。

【発生環境】 砂地,特に砂浜海岸の疎らに植物が生えている場所
【発生時期】 主に夏から秋に 発生するが,子実体は年中見られる
【食毒】 不明


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