ベニタケ科チチタケ属

ハツタケ

Lactarius lividatus Berk. & Curt.

Lactarius lividatus
茨城県つくば市 2007. 10. 29

ぼそぼそとした肉質のため敬遠されがちなベニタケ科のキノコには珍しい,優秀な食菌である。 その知名度の高さは,この仲間の菌の多くが「何とかハツ」もしくは「何とかハツタケ」といった 和名をもつことからも伺える。本種を用いた炊き込みご飯,すなわち「初茸ご飯」は,ひと昔前までは 秋の風物詩であった。

褐色系の地に環紋のある傘をもつキノコは他にも多数ある。そのため,一見すると同定に難儀しそうであるが, 実は最も分かりやすい食菌のひとつである。傘やヒダなどに傷をつけると 赤ワイン色の液体が染み出したのち,傷口が青緑色に変化するという,珍しい特徴をもつからだ。 古くなると子実体のあちこちが不気味に青く染まり,いかにも不味そうに見えるが, こうした特徴をもつ毒キノコはないので安心して収穫できる。 そんな敷居の低さが, 本種のもつ安定した人気を支えてきたのだろう。

【発生環境】 アカマツ,クロマツなど二針葉性のマツ林内
【分布】 日本,韓国,中国
【発生時期】 夏〜秋
【食毒】 優秀な食菌
【備考】 本種によく似た種類としては,同属のアカハツが挙げられる。青変性をもち,同じような環境に発生するが, キノコ全体がもっと橙色を帯びた明るい色をしている点,乳液が赤橙色である点で異なる。こちらもなかなか美味しい。


トップ