多孔菌科チャミダレアミタケ属

フルイタケ

Daedaleopsis tenuis (Hook. ex Fr.) Imaz.

フルイタケ
東京都小笠原村 2007. 11. 22


小笠原諸島は,光るキノコの代表格ともいえるヤコウタケが分布していることで有名である。 しかし,海洋島であるこの地には,外生菌根を作りやすい樹種の多くが 生育していない。ブナ科やカバノキ科の広葉樹はまったく分布していないし,針葉樹もヒノキ科のシマムロ が自生するだけである。そのためか,大型の子実体をつくる菌類の種数はむしろ少ないようだ。 事実,比較的雨の多い季節であったにもかかわらず,この日, 傘と柄をもったキノコらしいキノコにはほとんど遭遇しなかった。

そんな中,唯一印象深かったのがこのフルイタケ。傘の表面は平凡で地味な印象だが,裏面には 六角形の孔が規則正しく整然と並んでおり,まさしく篩い(ふるい)そのもの。 この手の硬質菌の場合,傘の基部や材に接している部分の孔が乱れることが多いのだが, 本種に限ってはそれもあまりないようである。 成長途中の傘の縁から中央部に至るまでのグラデーションがほれぼれするくらい美しく,しばし見入ってしまった。 暖地に多い菌であり,南西諸島や小笠原ではごく普通だが,南関東の照葉樹林下でも見られるという。

【発生環境】 広葉樹の枯木や落枝上
【生態】 木材の白色腐朽菌
【分布】 暖温帯以南


フルイタケ
東京都小笠原村 2007. 11. 22

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