イッポンシメジ科イッポンシメジ属

アカイボカサタケ

Entoloma salmoneum (Peck) Sacc.

アカイボカサタケ
群馬県桐生市 2008. 9. 6

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イッポンシメジ属は色彩豊かなグループだ。

日本産の種類だけでも, 紫色のナスコンイッポンシメジ,藍色のアオエノモミウラタケ亜属の面々,水色のソライロタケ, 緑色のワカクサウラベニタケ,黄色のキイボカサタケ,そしてこのアカイボカサタケと,虹の 七色がほとんど揃ってしまう。一箇所にまとまって発生したら,さぞかし壮観だろう。 さすがにそんな話は聞かないが,彼らのうちの黄色と赤色,そして白い色違いである シロイボカサタケの3種はしばしば混生し,格好の被写体になる。

ウェブ上で写真を検索してみると,アカイボカサタケと呼ばれているキノコの中には,2つのタイプが あるようだ。ひとつは傘が歪んだ円錐形で縁がしばしば波打ち,淡い橙色の系統。 和名の通り,傘のてっぺんにボールペンの先のようなイボを持つことが多い。 そしてもうひとつは,傘が整った円錐形をしており,鮮やかな朱赤色の系統。 前者とは反対にイボはほとんど目立たず,アカヤマタケ属のキノコのように見える。 写真の個体はこちらのタイプ。

後者のタイプは,最近はダイダイイボカサタケという仮称で呼ばれることもあるという。いわゆる隠蔽種なのかもしれない。 他の色違いのイボカサタケ2種との関係も含め,分子系統学的な研究の進展が望まれるところである。

【発生環境】 草地,各種林内などの腐葉,腐植上 
【発生時期】 夏〜秋 
【分布】 日本,東〜東南アジア,マダガスカル,北米〜中米
【食毒】 有毒; 近縁のキイボカサタケでは2007年に愛知県で中毒死の事例がある。


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