シロソウメンタケ科シロソウメンタケ属

ベニセンコウタケまたはその近縁種

Clavaria aff. rosea Dalm.:Fr.

群生
千葉県松戸市 2006. 7. 8

行きつけの公園の芝生には妙なキノコが何種類も生えるが,中でも最も変り種だと思うのがこれ。 その狂おしいまでに鮮烈な紅色は,他種の子実体ではまず見られないものだ。 最初目にした時は,休日に遊びに来た子供達が芝生に玩具を突き刺していったのかと思った。 シバの緑色とはまさに補色の関係になるので,ずっと見ていると目が疲れてくる。

菌類懇話会の先輩方によると,日本でベニセンコウタケと呼ばれている菌の分類学的位置付けは未だ不明確であり, それがClavaria roseaと同一のものなのか否か,あるいは複数の種が含まれているのか,再検討する 必要があるのだという。きわめて個性的な外観にもかかわらず,一般書で本種を収録しているものがとても少ないのは, そのせいなのかもしれない。また, ウェブ検索するとどうみても別種としか思えない写真がかなりヒットするところをみると,この混乱は 日本だけのものではないようだ。

【発生環境】 やや湿り気の多い芝生や草地など
【発生時期】 初夏〜秋
【食毒】 不明
【肉眼的な特徴】 子実体は高さ3〜5cm,太さ1mm程度の細長い棍棒状であるが変異が大きく,先端付近で分岐する個体や紡錘状に変形した個体も見られる。 数本が束生することもあるものの,多くの場合は1本ずつ離れて群生する。柄部は不明瞭。 全体がやや紫色を帯びた鮮紅色を呈し,比較的褪色しにくい。色褪せたとしても 橙色系の色調にはならず,バラ色〜淡紅色 となる。肉は淡紅色〜深紅色,中実。質がきわめて脆く,折れやすい。
【備考】 やや外観の似たキノコにベニナギナタタケがあるが,こちらは同じ紅でも朱色系の色調。褪色しやすく, 名前とは裏腹に橙色になっていることもしばしば。 草地よりも林内に生えることが多く,また肉質はずっと強靭である。

引いた構図
千葉県松戸市 2006. 7. 8