スイカズラ科タニウツギ属

ウコンウツギ

Weigela middendorffiana (Carr.) K. Koch.

ウコンウツギ
北海道恵庭市 2006. 6. 14

赤色系の花を咲かせるものが多いタニウツギ属の中では異端ともいえる存在であり, 淡黄色のやたらとボリュームのある花をつける。

和名に冠されているウコンは,熱帯アジア原産のショウガ科の植物。その根茎は,古くから香辛料や生薬などとして 重宝されてきた。クルクミンと呼ばれる黄色の色素を大量に含んでおり,投入した料理をその色に染める。 このため,ウコンといえば濃い黄色というイメージがある。 本種の花はそれに喩えるにしてはやや控えめな色調ではあるものの, 彩りの少ない6月の高山では抜群の存在感を放つ。

花冠の内側にある斑紋は,咲き始めてから時間が経過するにつれ,山吹色から橙とピンクの 中間のような色合いを経て,くすんだ赤色へと変化する。この現象は, 花粉の運び手であるマルハナバチへのサインであるらしい。 彼らは頭の良い昆虫であり,効率的な方法で花粉や蜜を集めようとする。ウコンウツギの場合,大量の花を 密集して咲かせる傾向が特に強いので,ハチとしては同じ株でじっくりと仕事をしたいところ。 自家不和合性の本種にとって,これは好ましいことではない。そこで,古くなって 利用価値のなくなった花の存在を視覚的に訴えることで,彼らのひと株当たりの滞在時間を減らしているのだという。

【生育地】 亜高山〜高山の向陽地,林縁など
【生活史】 落葉低木
【分布】 北海道,本州(東北地方)
【花期】 6〜7月
【参考文献】 Ida TY, Kudo G (2003) Floral color change in Weigela middendorffiana (Caprifoliaceae): reduction of geitonogamous pollination by bumble bees. Am. J. Bot. 90 (12) 1751-1757.

ウコンウツギ
北海道恵庭市 2006. 6. 14