フウロソウ科フウロソウ属

トカチフウロ

Geranium erianthum DC. f. pallescens Nakai

トカチフウロ
北海道上川郡東川町 2009. 7. 31


北海道の山地に多いチシマフウロの種内分類群のひとつ。母種の花が青みを帯びた紅紫色であるのに対し, トカチフウロでは淡紅色となる。光の加減やカメラの性能によっては白っぽく見えることもあるが, あくまで花色が薄いだけである。完全な白花品には,別にシロバナノチシマフウロという名前がついている。

和名の通り,十勝連邦や大雪山周辺で特に個体数が多く,トカチフウロばかりで母種や白花品がまったく見られないこともしばしば。 また,彼らとトカチフウロとの間で判断に迷うような個体もまずなく, 花色が3者の間で連続的に変化するというわけではないようだ。 母種で見られるような紅紫色を表現する色素が少なくとも2つあり,そのうちの一部を合成する経路が潰れるとチシマフウロ, すべて潰れると白花品になるという状況を仮定すると,上記のようなパターンを単純に説明できそうだが,実際のところはどうなのだろうか。

【生育地】 低山(北海道)〜高山の明るい草原や林縁
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(北部); 東シベリア,サハリン,千島列島,アラスカ〜北米(母種)
【花期】 7〜8月
【備考】 雄性先熟であり,咲き始め(写真では右の花)は紫色の葯が目立つが,しばらくすると葯が落ちて5つに開いた赤い柱頭が目立つようになる(左の花)。