サクラソウ科サクラソウ属

ソラチコザクラ

Primula sorachiana Miyabe et Tatew.

ソラチコザクラ
北海道 2005. 5. 23

花のクローズアップ 花の色の薄い株

北海道の川沿いの岩壁でしか見られない可憐なプリムラ。空知地方で採集された標本に 基づいて記載されたため,このような和名・学名がつけられた。

葉に白っぽい粉を纏う特徴はユキワリソウやユキワリコザクラと共通。しかし, 花の雰囲気は独特だ。 彼らと違って花の中央部,いわゆる"瞳"の部分が黄色くなることはなく, 代わりに白いぼかしが入る。端整な花冠裂片の形も相まって,どちらかというと和風の趣き。この点では, サクラソウに通じるものがある。

なお,ソラチコザクラをユウバリコザクラの中に含める見解もある。実際, 両者の花は似通っているが,ユウバリコザクラは 夕張岳の蛇紋岩崩壊地でしか見られないので,識別に迷う場面はまずない。 ユウバリコザクラの遺伝子を解析してみた研究では,セイヨウユキワリソウなどの欧州に分布する種に とても近いという結果が出たそうだ。ソラチコザクラも,見かけによらず 遠く離れた彼の地の血筋を引いているのかもしれない。

【生育地】 山地渓流・河川に面した岩壁
【生活史】 多年草 
【分布】 北海道(日高・夕張山系) −日本固有
【花期】 5〜6月
【備考】 Richards(2003)ではユウバリコザクラと同種として扱われている。