サクラソウ科サクラソウ属

サマニユキワリ

Primula modesta Bisset et S.Moore var. samanimontana Tatew.

サマニユキワリ
北海道様似郡様似町 2005. 6. 11

日高山脈の南端,様似町に位置するアポイ岳は,固有な植物が数多く分布していることで有名だ。 氷河期の終わりにこの地に逃げ込んだ寒地性の植物たちが,カンラン岩地という 特殊な環境のもとで独自の進化を遂げ,夏涼しく冬に積雪が少ないという気候が幸いして生き延びてきた− ということらしい。高山植物図鑑の目次には, アポイやサマニの名を冠する種が並んでいるが,彼らのほとんどは そういった経緯をもつとされる植物たちである。

サマニユキワリもそのひとつで,ユキワリコザクラの超塩基性岩地の適応型とされている。 両者の最大の相違点は葉。サマニでは,幅が狭いことに加えて縁が強く内側に巻き込む傾向があるため, サジ型に近いシルエットになる。 貧栄養で厳しい立地を反映してか,植物体は小柄。 花の数も典型的なユキワリコザクラよりも少なめである。ただ,花冠の色はむしろ鮮やかで赤味が強いようだ。 デジタルカメラではうまく表現できないのが悔やまれる。

【生育地】 超塩基性岩地の乾いた草原や岩礫地
【生活史】 多年草
【分布】 北海道(アポイ岳とその周辺,日高山系,層雲峡)
【花期】 5〜6月

短花柱花