スミレ科スミレ属

オオバタチツボスミレ

Viola langsdorfii Fisch. ex Ging. subsp. sachalinensis W.Becker

実物はもっと深くて赤みの強い色調でした
北海道根室市 2005. 6. 24

小さな漁港の裏にあるその湿原を訪れたのは,日本でもそこにしかない,ある珍しい植物を一目見たいと 思ったからだった。シーズンオフで平日であるためか,木道の上には人影はほとんどなし。その清々しい空間を独り占めしている ような気がして,とても幸せな気分になった。だが,季節が遅すぎたのか, 件の植物のローズピンクの花が視界に飛び込んでくることは,遂になかった。 このスミレに出遭ったのは,その帰路のことである。

最初に遠くから見たときは,妙にしょぼくれたハクサンチドリだなあと思った。こうして写真で見ると全く似ていないものの,第一印象は 本当にそんな感じだった。そう勘違いしてしまうくらい,背丈が高く,かつ花が大きくて艶やかだったのである。 体が大きいせいかあまり注目はされていないようだが, サクラスミレ・アケボノスミレと並んで,日本のスミレの中で最も花の美しい部類に入ることは 間違いないだろう。

【生育地】 深山の湿った草原,落葉樹林内,泥炭地など,道東や道北では平地にも生育
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部地方以北)
【花期】 5〜7月

オオバタチツボスミレ
北海道根室市 2005. 6. 24