ユリ科エンレイソウ属

オオバナノエンレイソウ

Trillium camschatcense Ker Gawl.

オオバナノエンレイソウ
北海道沙流郡門別町 2004. 5. 2

エンレイソウ属の植物は,いずれも茎の先端に 3枚の葉を扇風機のファンのように輪生させるという特徴をもつ。 この一風変わった草姿が災いして,関東のエンレイソウやミヤマエンレイソウ の自生地ではしばしば盗掘が問題になる。 わたしが研究のため通っている群馬の山でも,メインとなる登山道沿いに 生えていた株は軒並み姿を消してしまった。

そんな惨状を目の当たりにしていたものだから,北海道を春に初めて訪れた 時には正直面食らった。行く先々でオオバナノエンレイソウがやたらと 目についたからだ。沢筋や林縁などの明るい場所には特に多く, しばしば見渡す限りの群落が見られた。見渡す限り,とは陳腐な表現だが, まさに文字通りだったのでそう書くことしかできない。 ここまで個体数が多ければ,掘り取って売りさばこうと考える輩は まずいないだろう。幸せなことである。

本種の最大の特徴は,長さが4cmに達する大きくて白い内花被片。 幅や長さにはかなりの変異がある。 また,繁殖様式にも地域差があることが知られており, 日高や道東の株は自家不和合性だが,道央や道北の株は自身の花粉でも 種子を生産できるという。

【生育地】 平地から山地の明るい林内など
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(北部)
【花期】 5〜6月
【備考】 近縁種との間に様々な雑種を作る。