ラン科コケイラン属

コケイラン

Oreorchis patens (Lindl.) Lindl.

コケイラン
北海道浦河町 2006. 6. 7

ちょっと控えめな色調の花を咲かせる小型のエビネ,という表現がぴったりのラン。

分布域はかなり広く,南は台湾から北はサハリン・カムチャッカにまで及ぶ。 国内でも沖縄以外の各地で見られるが,地域によって見やすさには かなりの差があるようだ。私が初めてその存在を認識したのは,岩手の山奥で 渓流釣りをしていた時のこと。いかにも魚がいそうな淵のほとりで,涼しげに 咲いていた。その後,北海道では何回か花を見たが,関東では未だに出会ったことはない。

和名は,中国産のシュンラン属のランである尢磨iケイラン, 正しくは草冠に恵)の類に似て小型であることに由来するとされる。 ただ,ラン栽培の趣味がない私にはいまいちピンとこない。 別名扱いとなっている「ササエビネ」の方が,まだ 雰囲気をよく表していると思う。 もっとも,もしそれが標準和名に採用 されていたら,エビネ類が恐ろしい勢いで盗掘されていったあの時代,本種も 狂気に近い蒐集欲の餌食になっていたのかもしれない。

【生育地】 山地のやや湿った落葉樹林内
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州,四国,九州
【花期】 5〜7月

コケイラン
唇弁の模様には個体差がある 北海道浦河町 2006. 6. 7