ツツジ科ツガザクラ属

コエゾツガザクラ

Phyllodoce aleutica (Spreng.) A.Heller x P. caerulea (L.) Bab.

コエゾツガザクラ
北海道上川郡東川町 2009. 7. 30

コエゾツガザクラ
北海道上川郡東川町 2009. 7. 31


典型的な個体の花は優しいピンク色。 日本のツガザクラ類で名前通り桜色の花を咲かせるのは,実は本種くらいしかない。

最近の研究で,アオノツガザクラとエゾノツガザクラの雑種第1代であることが明らかにされた。 これら2種のツガザクラ類は雪解けの時期の違いに応じて住み分ける傾向があるが, コエゾツガザクラはその出自ゆえか,両者の中間的な環境の場所に幅広く対応しているようだ。 大雪山系で見られるツガザクラ類では最もポピュラーな部類だと思う。そのせいか, 本種がパンフレットなどで誤ってエゾノツガザクラとして紹介されていることがよくある。

花色の濃淡や花冠外側の毛の有無,花冠の形などには変異があり,両親の2種類が近接して生えている 場所では典型的なコエゾ以外にも様々なタイプの個体を観察できる。実際には,単純な交雑にとどまらない,もっと 複雑なパターンでの交配も生じているのかもしれない。少なくとも,花に淡い紅色の絞りの入る ニシキツガザクラと呼ばれるタイプは,コエゾツガザクラとアオノツガザクラの戻し交雑で生じたことが 分かっている。

【生育地】 高山帯の岩場や雪田周辺など
【生活史】 常緑小低木
【分布】 北海道
【花期】 7〜8月
【参考文献】
Kameyama Y, Kasagi T, Kudo G (2008) A hybrid zone dominated by fertile F1s of two alpine shrub species , Phyllodoce caerulea and Phyllodoce aleutica, along a snowmelt gradient. J Evol Biol 21: 588-597.