バラ科リンゴ属

エゾノコリンゴ

Malus baccata (Linn.) Borkh. var. mandshurica (Maxim.) C. K. Schn.

エゾノコリンゴ
北海道様似町 2006. 6. 5


リンゴは,果樹としてはおそらく日本では最も人気のあるもののひとつだろう。 人々の好みに合わせて様々な性質をもった品種が作られており,旬の季節には彼らが 八百屋の店先を華やかに彩る。もっとも,それは人間社会の中だけでの話。 視点を野外に向けてみると,彼らは 途端にマイナーなグループになってしまう。なにしろ,日本に自生している野生のリンゴ属の樹木はたった4種類 しかないのだ。

これらのうち,比較的目にする機会が多いものが,ズミとエゾノコリンゴである。前者は北関東や本州中部地方の高原で, 後者はその名の通り北海道でよく見かける。いずれも,果実は小さくて酸味や渋味が強く, 少なくとも栽培品種のように気軽には食べられない。 ただ,花つきは総じて良く,春には枝先にびっしり咲いた花で樹冠全体が真っ白になる ことも珍しくない。そのため,北海道では後者を街路樹として用いることも多いようだ。

【生育地】 山地の林縁や河畔など;北海道では平地から見られる
【生活史】 落葉小高木 
【分布】 北海道,本州(中部地方以北)
【花期】 5〜6月
【備考】 エゾノコリンゴの葉は内側に巻き込んだ状態で展開し,浅い鋸歯があるだけで深い切れ込みが入ることはない。 ズミの葉は2つ折で展開し,しばしば鋸歯とは別に深い切れ込みが入る。花弁や花柄のサイズはエゾノコリンゴの方が大きい。