サクラソウ科サクラソウ属

エゾコザクラ

Primula cuneifolia Ledeb. var. cuneifolia

エゾコザクラ
北海道上川郡東川町 2009. 7. 31


北海道の高山の雪田などに群生するサクラソウの仲間。火山性の緩やかな地形の多い大雪山では 特に規模の大きな自生地が多く,初夏のハイライトのひとつとなっている。

変種としての分布域はユーラシア極東地域とアリューシャン列島に限られるものの, 同一種内の別変種であるハクサンコザクラ var. hakusanensis が本州中部に, ミチノクコザクラ var. heterodonta が東北地方の岩木山に,そしてvar. saxifragifolia が アラスカとカナダのバンクーバー島に分布している。したがって,広義のP. cuneifolia として捉えた場合, 日本産のサクラソウ属植物では最も分布域の広い種ということになる。

ピンク系の花,内向きの展葉パターン、毛や粉状物を欠く葉などといった分かりやすい特徴をもち,世界に500種以上が知られる同属の中でも 他に似たものはない。ただし,広域分布種の通例として,その形態には地域間でかなりの変異がある。エゾコザクラは日本の3変種の中では最も小柄な部類である。また,var. saxifragifolia はそれに輪をかけて小型であり,花序の柄は短いかほとんど無柄 であるため,他とは趣を異にする。長花柱花と短花柱花の区別がなく,自家受粉する性質も,種内ではこの変種だけである。

【生育地】 高山帯の湿った草原,雪田周辺,砂礫地など
【生活史】 多年草
【分布】 北海道; 千島列島,サハリン,東シベリア,カムチャツカ,アリューシャン列島
【花期】 7〜8月


エゾコザクラ
北海道上川郡東川町 2009. 7. 31