ハコベ科ハコベ属

エゾハコベ

Stellaria humifusa Rottb.

エゾハコベ
北海道根室市 2005. 6. 24

海岸近くの湿地は,多くの植物たちにとっては過酷な環境だ。 海水に含まれる塩分の影響は常に悩みの種であろうし, 荒天の際には高波などによって植物体そのものが壊滅的な損害を受けることもままある。吹きつける強い海風と容赦なく照りつける 直射日光,過湿な土壌への対応策も欠かせない。それ故, こうした立地には,しばしば他の場所では見られないような独特な種類が生育している。

エゾハコベも,そういった数ある物好きのひとつだ。 和名の通り,日本では北海道の中部から東部にかけての太平洋岸でしか見られない。 個体数も多くはなく,国のレッドリストで絶滅危惧1B類の指定を受けている。 雰囲気はノミノフスマによく似ているが, 海岸の植物らしく葉はより肉厚な感じがして,花は1つずつしかつかないことが多い。 興味のない人には雑草にしか見えないのか, しばしば踏みつけの被害に遭っているが,種の存続の最大の脅威はむしろ 沿岸地域の開発だという。

【生育地】 海岸の湿地
【生活史】 多年草
【分布】 北海道(主に道東)
【花期】 6〜7月

エゾハコベ
北海道根室市 2005. 6. 24