ユリ科チゴユリ属

エダウチチゴユリ

Disporum smilacinum A Gray var. ramosum Nakai

エダウチチゴユリ
北海道新冠町 2006. 6. 6

チゴユリの花は通常は1本立ちの茎の先に1個ないし2個がつくだけだが, 稀に茎の上部が分岐して,それぞれの枝に花をつけるものがある。そういった株は 普通の個体に比べて背が高い傾向があり,「稚児百合」といった名前から想像される可憐なイメージ とはやや趣を異にする。現在では両者を区別しない考えが支配的であるようだが, かつてはエダウチチゴユリという変種に分けられていた。

写真の株が生えていた群落は,ほぼ全ての開花株が分岐している個体で構成されていた。 私見だが,枝分かれした開花株と1本立ちの開花株が混ざって生えていることは少ないように思う。 地下茎によるクローン成長を行って新たな茎を作ることで花の数を増やすことを優先するか, 茎を分岐させて花の数を増やす戦略をとるか−双方のバランスがジェネットごとに微妙に異なるというのが ,こうした現象の背景にあるのかもしれない。

【生育地】 山地の林内
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州,四国,九州(母種の情報)
【花期】 4〜6月
【備考】 オオチゴユリは本州のみに分布し,全体大型でほぼ常に分岐。花糸・花柱が短く,それぞれ葯・子房と同長。チゴユリとホウチャクソウの雑種である ホウチャクチゴユリも一見すると分岐型のチゴユリに似た外観をもつが,花の形態は両親の中間的なもの。 現在のところ,東京の高尾山でしか見つかっていないらしい。

エダウチチゴユリ
北海道様似町 2006. 6. 5