フウロソウ科フウロソウ属

チシマフウロ

Geranium erianthum DC.

チシマフウロ
北海道浜中町 2005. 6. 21

光の加減でこれほどまでに雰囲気が変わる花も珍しいだろう。

夏の道東の風物詩ともいえる深い霧の中では,普段よりも暗く青っぽく見える。 微妙な色調の移り変わりもシルエットの中に沈みこんで目立たなくなり,全体として冷たく無表情な印象を受ける。 ところが,たまに好天が訪れると,降り注ぐ陽光を受けて花弁の表面の細かな造作が隅々まで 浮かび上がり,生き生きとした表情を見せる。

本州の高山でお馴染みのタカネグンナイフウロに近縁な種類で, 花柄に腺毛がほとんど混じらない点で彼らと異なるとされる。写真を見比べてみると,花弁の形や模様などにも微妙な違いがあるようだ。 高山帯のお花畑で見かけることが多いが,根室地方では 海岸近くにも普通に生育していた。牧場や鉄路の脇などの定期的な草刈り管理がなされている ような場所では,ちょっとした群生を作ることも多い。

【生育地】 低山(北海道)〜高山の明るい草原や林縁
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(北部); 東シベリア,サハリン,千島列島,アラスカ〜北米
【花期】 6〜8月