アカザ科アッケシソウ属

アッケシソウ

Salicornia europaea L.

アッケシソウ
北海道根室市 2005. 6. 24

道東の行楽シーズンのフィナーレを華々しく飾る,日本のアカザ科植物最大の変わり者。 葉が退化する代わりに茎が太く肉厚になっているため,緑色の珊瑚のような不思議な草姿を している。ホウレンソウと同じ科だとはとても思えない。

お気に入りの環境は,並の植物ならすぐに枯死してしまうような,塩分の影響の強い泥湿地。 ライバルが少ないためか,広大な群落を作ることも多い。 晩秋になると多肉質の茎が真っ赤に紅葉するため,真紅の絨毯が広がっているかのような 幻想的な光景になる。最も有名なのは能取湖だろうか。シーズンには 多くの観光客が訪れるそうだ。

初夏の海岸を歩いていたら,足元に赤いビーズのような粒が散らばっているのに気が付いた。 最初は貝殻か何かかと思ったのだが,よく見るとアッケシソウの実生だった。 1年草なので,毎年春に種子から植物体を作り直すのだ。今は疎らにビーズが散らばっているだけの この砂浜も,秋には朱に染まるのだろう。季節外れの紅葉は,発芽したてのか弱い組織を照りつける 直射日光から守るためだったのか,それともはるばる遠くからやってきた物好きへの気まぐれなサービスだったのか。

【生育地】 海岸近くの塩分の影響の強い湿地
【生活史】 一年草
【分布】 北海道,本州(北部),四国
【花期】 8〜9月
【備考】 サンゴソウという呼び名の方が一般的かもしれない。