ゴマノハグサ科シオガマギク属

ヨツバシオガマ

Pedicularis chamissonis Steven var. japonica (Miq.) Maxim.

ヨツバシオガマ
北海道上川郡東川町 2009. 7. 31

ヨツバシオガマ
富山県黒部市 2006. 8. 19


花だけでなく葉も美しいシオガマギクの仲間は,高山植物のスター的な存在といっても 過言ではない。特に知名度が高いのが,このヨツバシオガマだ。大抵の高い山には 生えている上,この仲間では背が高くて花序も豪華な部類に入るので, 目にする機会が多いのである。梅雨明け後の夏山シーズンに登ると既に花が終わりかけている ことが多いのが珠に疵だが,それもまたよい。

花の上唇が鳥の嘴状に 伸びる点と,シダのように切れ込んだ葉が4枚ずつ輪になって着く点が種としての特徴。 分布域が広いだけあって花序の長さや嘴の形態などに変異が大きく, 多くの品種に分類されていたこともあった。 しかし,最近の遺伝マーカーを用いた研究では, くびれのあるツルのような嘴の南側集団と太短いカモのような嘴の北側集団の2つに分ける のが妥当だとされている。飯豊のあたりでは両者が共存するが, 生育環境は微妙に異なるらしい。

写真の株は遺伝的には南側集団,昔の分類ではクチバシシオガマという品種に相当するものだと 思われる。嘴の部分だけ色が濃いのが印象的だった。

【生育地】 亜高山から高山の広葉草原
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部以北)
【花期】 6〜8月
【備考】 よく似た近縁種であるミヤマ シオガマタカネシオガマに比べると, 本種はややマイルドな環境に生えている印象がある。