バラ科ヘビイチゴ属

ヘビイチゴ

Duchesnea chrysantha (Zoll. et Moritzi) Miq.

ヘビイチゴ
茨城県牛久市 2004. 4. 25

果実は八百屋に並ぶ苺そっくり。物々しい名前のせいで 毒があると思われがちだが,実際は食べてもどうということはない。 ただ,全く味がなく,ふわふわした妙な食感。お世辞にも美味い とはいえない。子供の頃,お飯事で苺のつもりで食べてみて 後悔した経験のある人も多いのではなかろうか。

和名もそこから来ているらしい。こんな不味い苺は蛇にでも 食わせておけ,というわけだ。もっとも,蛇が好みそうな環境に多い からだという説も説得力はある。陽当たりの良い湿った環境を好むので, 水田の畦などに行けば必ずといっていいほど生えている。そして, そんな場所にはヤマカガシやらマムシやらも多いのである。

【生育地】草原や水田の畦など 【生活史】多年草 【分布】日本全土 【花期】3〜5月


ヤブヘビイチゴ

Duchesnea indica (Andrews) Focke var. major Makino

ヤブヘビイチゴ
千葉県松戸市 2004. 4. 10

「やぶへび」とは,よせばいいのに薮をつついて蛇に出くわすことから 転じて,余計なことをして悪い結果を招くこと。このイチゴを食べると, 何故かそういう目に遭いやすくなるらしい...というのは嘘で, 上のヘビイチゴに似て,陽当りの悪い薮のような 環境を好むことからこの名前が着いた。だが,混生していることも たまにある。

【生育地】半日陰 【生活史】多年草 【分布】本州,四国,九州 【花期】4〜6月

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ヘビイチゴとヤブヘビイチゴの生育環境以外の主な相違点は以下の通り...  1. ヘビイチゴの小葉は黄緑色で先が丸いが,ヤブヘビの小葉は濃緑色で先が尖る。 2. イチゴの本体の部分(果床)はヤブヘビの方が色が濃く光沢も強い。3. ヘビイチゴではイチゴの表面の粒々(痩果)に皺があるが,ヤブヘビは平滑。  ...その他,ヤブヘビの方が植物体のサイズが大きいことを識別のポイント として挙げる図鑑も多いが,あまり当てにはならない。