カヤツリグサ科ワタスゲ属

ワタスゲ

Eriophorum vaginatum L. subsp. fauriei (E.G.Camus) A. et D.Love

ワタスゲ
群馬県片品村 2004. 6. 27

カヤツリグサ科の中では,おそらく最も有名な植物。 名前を聞いただけで,大名行列の毛槍のような穂で 埋め尽くされる湿原の風景が頭に浮かぶ人は多いと思う。

雪解け直後に咲く花そのものは地味だが,果実が成熟するにつれて そのまわりの綿毛(正確には花被片が糸状になったもの)が 長く伸びて穂を包み,遠くからでも目立つようになる。 これが「毛槍」の正体だ。綿毛は晴れた日には 陽光を浴びて銀白色に輝き,雨のそぼ降る日には露を まとってしっとりとしな垂れる。 天候によって様々に移り変わるその表情は,実に魅力的である。

なお,北海道の大雪山系には他にエゾワタスゲが分布する。 ワタスゲと違って長い地下茎を持つため,株立ちにはならない。 また,ワタスゲの根生葉の断面が扁平な三角形なのに対し,エゾ ワタスゲのそれはずっと細く,断面が丸い。

【生育地】 亜高山帯から高山帯の高層湿原
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部地方以北)
【花期】6〜8月

陽の光を浴びて