シソ科キランソウ属

ツルカコソウ

Ajuga shikotanensis Miyabe & Tatew.

ツルカコソウ
茨城県 2007. 5. 8

群生 特に毛深い個体 花冠のアップ&走出枝

里山に生えるキランソウ属の植物の中では,おそらく最も影の薄い存在。しかし,全身に長毛を纏った その姿はとても印象深いものである。

よく似たジュウニヒトエとは,花色が通常淡紫色であること,花が大きな苞葉の脇に輪のように並んで咲くこと,および 花期の終わりごろに花茎の下部から走出枝を出すことの 3点で見分けられる。また,ジュウニヒトエよりも明るい環境を好む印象があり,里山の草原がカヤ場 として利用されなくなってからは,軒並み各地で減少傾向にある。風雅な見た目が災いして, 盗掘にあったという話も聞く。

写真の個体が生えていた場所も,かつては藪の中で 十数株が細々と息をつないでいるに過ぎないという,いつ消滅してもおかしくない状態だった。 しかし,徹底的な草刈り管理の結果,今では数百本の花茎が群生するお花畑となっている。 また,タムラソウやオミナエシ,ヒキヨモギなど,今では珍しくなった草原生の植物も増えてきた。 地元の方々のたゆまぬ努力に敬意を表したい。

【生育地】 丘陵地の日当たりのよい草原
【生活史】 多年草
【分布】 本州; 南千島(色丹島)
【花期】 4〜5月
【備考】 写真の個体は標準的なタイプと比較して花色が薄く,ほとんど白に近い。


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