シソ科キランソウ属

ツクバキンモンソウ

Ajuga yesoensis Maxim. ex Franch. et Sav. var. tsukubana Nakai

ツクバキンモンソウ
群馬県みどり市 2009. 5. 3

ツクバキンモンソウ
群馬県みどり市 2009. 5. 3


茨城県を代表する名峰のひとつである筑波山で最初に発見された植物。 ニシキゴロモの変種に相当する。 日本海側に多い母種とは異なり,分布の中心は太平洋側の地方である。 一部の図鑑には関東地方以西に限られるとの記述があるが,実際には 東北地方まで北上しているようだ。大都市の多くが太平洋側にあるせいか, ウェブで名前を検索してみると母種よりも数段多く件数がヒットする。

日本海側と太平洋側の気候の差を直接反映したものでは なさそうだが,両者の相違点は明確である。最も分かりやすいのは,花冠の形の違い。ニシキゴロモでは 長さ3mm近くある上唇が,本種ではほとんど発達しない。また,葉脈の表側が紫色に浮き出る傾向は ツクバキンモンソウの方がやや強いようだ。「錦衣」ではなく「金紋草」という 和名にした理由も,そのあたりにあるのかもしれない。

【生育地】 低山のやや乾いた林内
【生活史】 多年草
【分布】 本州と四国の太平洋側
【花期】 4〜5月
【備考】 写真は白花品。こうした個体では典型品に比べ,しばしば葉脈の紫色が不明瞭になる。しかし,葉裏も含めて 完全に色が抜けた個体にはお目にかかったことはない。