スミレ科スミレ属

フイリタナオスミレ

Viola x kurokawae H.Hara ex F.Maek. et T.Hashim. f. variegata Hama

フイリタナオスミレ
群馬県 2007. 5. 2


フイリフモトスミレとヒゴスミレの雑種。

花はヒゴスミレに近いものからフモトスミレ似のものまで 様々であるが,葉はまさに両親のそれを足して2で割ったような見た目となる。 すなわち,葉身の細かな切れ込みはヒゴスミレの,灰緑色の地に銀色の斑が入る葉表と紫色を帯びる葉裏は フモトスミレの特徴だ。レックスベゴニアの園芸品種のあるものにも似た,野生植物らしからぬ雰囲気をもっている。

両親はともに普通種であり,生育環境や送粉者なども共通する部分が多いと 思われる。花粉の授受がなされる機会は少なくはないと推測されるが,種子の稔性が低いのか, 野外でフイリタナオスミレの姿を見ることは滅多にない。しかし,この山では,本種の他にも 異種間交配に由来するスミレが幾つもみられた。広範囲にわたる伐採やカヤ場としての利用など, 交雑が起こりやすい条件が過去に繰り返し生じていたのかもしれない。

【生育地】 山地のやや乾いた落葉広葉樹林内
【生活史】 多年草
【分布】 両親がともに分布している地方ならば見られる可能性があるが,稀
【花期】 4〜5月
【備考】 ヒゴスミレの血が混じっているため,純粋なフイリフモトスミレと比較すると葉の表面の斑は不明瞭であり, 個体によっては,あるいは展葉してから時間が経つと,ほとんど無地に見えることもある。しかし, 葉の表面の色は純粋なヒゴスミレよりもくすんだ感じ,かつ葉裏は紫色を帯びるため,慣れれば小さな葉1枚でも 見当をつけることは可能。


フイリタナオスミレ
群馬県 2007. 5. 2

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