マツムシソウ科マツムシソウ属

タカネマツムシソウ

Scabiosa japonica Miq. var. alpina Takeda

タカネマツムシソウ
石川県 2003. 8. 7


平地が真夏の猛暑に苛まれ始める頃,高い峰々では早くも秋の気配が漂い始める。

そんな折,乾いた尾根筋を優しい紫色に染めるのが,このタカネマツムシソウ。 本来は山地から亜高山の草原に生えるマツムシソウが高山の環境に適応したもので, 母種と比べて草丈が低くコンパクトである反面,花色は濃くて色鮮やかだ。 こうした変化は他の多くの高山植物でも見られるものであり,低地に比べて強い紫外線への対策, 少ない送粉者を効率的に誘引するための適応などといった説明がなされることがある。

上の写真で花に止まっているのは,ヒメマルハナバチという高山生の小型のマルハナバチ。 マツムシソウの花を訪れる昆虫の多くはハナアブの類だとの報告があるが(田中 1997), 白山のこの群落では,ハナアブとハチが半々の割合で訪花していた。 花の形態を見るに,どちらも花粉の運び手として機能はしていそうではある。

【生育地】 亜高山〜高山の乾いた草地,砂礫地など
【生活史】 多年草または越年草
【分布】 本州(中部地方以北),四国
【花期】 8〜9月