スミレ科スミレ属

スミレサイシン

Viola vaginata Maxim.

Viola vaginata
新潟県佐渡市 2004. 5. 3

日本海側の地方では,冬になると断続的に雪が降り続く。 乾燥した晴天が続く太平洋側に比べると過酷に 思えるが,植物にとっては良い面もある。 雪に覆われると気温が0℃付近で安定してそれより低下 することは滅多になくなるし,乾燥や風の害からも 保護される。また,春先には雪解けのため 充分な量の水分が供給される。そのためか,日本海側の春植物たちが 織り成すお花畑は,太平洋側のそれとは比較にならないほど素晴らしい。

スミレサイシンは,そういった日本海側の多雪地の春を 彩るスミレのひとつだ。太平洋側に分布する類似種・ ナガバノスミレサイシンに比べると全体に大柄で,花もボリュームが あって色が濃い。関東出身の私にとっては,長らく憧れのスミレのひとつだった。 斜面にオオバキスミレとともに群生しているのを 初めて見たときの感動は,今でも鮮明に覚えている。

和名は,ギフチョウの食草として有名な ウスバサイシンに葉が似ていることによる。ナガバノスミレサイシン の他,アケボノスミレシコクスミレ等とも近縁で, 丸い袋のような距, 葉柄から離れてつく切れ込みのない托葉,ワサビのような 発達した根茎などといった共通の特徴を持つ。

【生育地】 丘陵地の半日陰の落葉樹林内など
【生活史】 多年草
【分布】 北海道, 本州,四国の主に日本海側
【花期】 4〜5月