シラネアオイ科シラネアオイ属

シラネアオイ

Glaucidium palmatum Sieb. & Zucc.

シラネアオイ Glaucidium palmatum
新潟県佐渡市 2004. 5. 3

1属1種でシラネアオイ科に分類されるだけあって,なかなか個性的な植物だ。 独特の切れ込みが入った葉を 2枚だけ開き,雪解けの頃,透き通るような桃色の花を咲かせる。 構造が変わっていて,4枚の花びらのように見えるものは実は萼片。 中心には多数の雄蕊と2本の雌蕊だけがある。花が終わるとその 雌蕊が大きくなって,四角い袋が対になったような妙な果実が実る。

日光白根山に多く産し,花が葵に似ていることから,この名がついた。 確かに,萼片の色調や質感はフヨウやタチアオイの花のそれに似ている。 ただ残念なことに,白根山の集団は,増えすぎたシカによる食害のせいでほとんど絶滅状態だという。 保全・再生の取り組みがボランティアによって行われているが,柵で囲わない限り,効果は見られないらしい。 心貧しい人々による盗掘も絶えないと聞く。

...とまあ,暗い話が続いたが, 雪の多い地方の深い山に行けば,残っている場所には残っている。雪渓の縁などで花に出会うと, 急坂を登ってきた疲れも一気に吹き飛ぶというものだ。

【生育地】 山地〜亜高山の多雪地
【生活史】 多年草
【分布】 本州中部以北,北海道
【花期】 5月〜7月

花のアップ