ユキノシタ科ユキノシタ属

シコタンソウ

Saxifraga bronchialis L. subsp. funstonii Hultén var. rebunshirensis H.Hara

シコタンソウ
山梨県南アルプス市 2008. 7. 27

シコタンソウ
山梨県南アルプス市 2008. 7. 27

ユキノシタの仲間には,小さいながらも精緻な装飾が凝らされた花を咲かせるものが多い。 その極致ともいえるのが,シコタンソウである。花弁には紅色から黄色へのグラデーションが かかった斑点が散らばっており,ルーペで拡大すると思わず息を呑む美しさだ。 花を訪れる昆虫たちの眼には,どのように映っているのだろうか?

和名の通り,本種が最初に発見されたのはいわゆる北方四島のひとつ,色丹島。 しかし,北海道や本州の内陸の高山でも見られるうえ, 現在では中国東北部からカナダ,ロッキー山脈にかけて 広く分布するSpotted Saxifrageの種内分類群のひとつとして扱われている。 登山道周辺に生えていることも希ではなく,同じく北の離島の名を冠するレブンソウ,リシリソウ, ウルップソウと比較すると,はるかに馴染み深い存在だといえよう。

【生育地】 高山の乾いた岩場,砂礫地など
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州(中部地方以北); 南千島,サハリン
【花期】 7〜8月
【備考】 北海道の夕張岳に固有のエゾノクモマグサは,葉の先端が3裂する以外はシコタンソウにそっくりである。また, この山には両者の雑種起源と推定されるユウパリクモマグサも知られており,葉は中間的な形態をとるが,花弁には 黄色の斑点しかないという。


シコタンソウ
山梨県南アルプス市 2008. 7. 27