スミレ科スミレ属

シハイスミレ

Viola violacea Makino var. violacea

シハイスミレ
群馬県桐生市 2007. 4. 8

鮮やかな桃色の花がとても印象深いスミレ。小柄ではあるが,早春の枯れ草色の景色の中では 十分すぎるくらいよく目立つ。先立って咲くアオイスミレなどの花が 控えめな色調なので,里山に真っ先に春を告げるスミレだといってもあながち間違いではない。 フモトスミレなどと同様に葉の裏が紫色を帯びることが多く,和名も そうした特徴に由来している。

形態の変異が大きい種であり,いくつもの変種や品種が記録されている。 とりわけ,近畿地方よりも東側では,典型的なシハイスミレに比べて葉が細長く先端が尖る,葉裏の色素が薄い, 葉柄が垂直に近い角度で立つ,花色が濃いなどといった特徴をもつ個体が目立ち, マキノスミレとして分けられてきた。しかし,分布域の南側に相当する地域では中間的なものも多く, スミレ愛好家の悩みの種となっている。

上の写真の株は,花色や葉の形・角度などは典型的なシハイスミレのそれだが, 葉裏がまったく紫色を帯びていない。

【生育地】 明るい林内,やや乾燥気味の環境を好む
【生活史】 多年草
【分布】 本州,四国,九州
【花期】 3〜5月
【備考】 Flora of Japan Vol. Ubでは,マキノスミレを含めたすべての種内分類群を区別していない。


花の色が濃い株
鳥取県 2007. 4. 23