リンドウ科センブリ属

センブリ

Swertia japonica (Schult.) Makino

センブリ
岩手県 2007. 10. 21


センブリ
岩手県 2007. 10. 21


良薬は口に苦しというが,最近の薬では,薬効成分の味を直接舌に感じるということは少なくなった。 糖分の殻やカプセルなどで包んだり,甘いシロップに溶かしたりなどと,飲みやすいように様々な 改良が加えられているためだ。しかし,薬の性質によっては,そういったフォローができないこともある。 たとえば,苦味成分によって胃液の分泌を促すはたらきのある健胃薬。 オブラートなどに包んで服用した場合,効果は期待できない。

センブリは,古くから健胃薬として用いられてきた植物の代表格ともいえる存在だ。 野草離れした華やかな花を咲かせることもあり,知名度は高い。 乾燥させた植物体を熱湯の中で煎じて利用するのだが,その苦味の強さは半端ではなく,千回振り出してもまだ苦いと形容されるほど。 ひとかけら鍋に放り込んだだけで鍋そのものを台無しにすると評される激苦キノコ 「ニガイグチモドキ」 を彷彿とさせる表現である。

【生育地】 平地〜山地の明るい草原,湿地,路傍など; 貧栄養で痩せた土地を好む
【生活史】 越年草
【分布】 北海道(西南部),本州,四国,九州; 朝鮮,中国
【花期】 9〜11月
【備考】 イヌセンブリは本種にそっくりだが,葉が幅広く,花の中心の白毛が長い。苦味が弱いため,健胃薬としては使われない。