スミレ科スミレ属

サクラスミレ

Viola hirtipes S.Moore

サクラスミレ
群馬県 2006. 5. 10

花色の薄い個体 ひだまりの下 チシオスミレ フモトスミレとの交雑個体(ヤシュウスミレ)

日本のスミレの中では,最も華やかな花を咲かせる種類のひとつ。

花の差し渡しは最大で2.5cmにも及び,鮮やかな紅紫色をしている。アカネスミレなどのそれに比べると, やや青みが強く,濁りが少ない印象だ。葉は三角形に近いシルエットであり,光沢のないくすんだ緑色。 質厚く,葉脈が裏側に向かって強く凹むため,ややごわごわした感じに見える。 花茎と葉柄には白い開出毛が疎らに生えるのは良い特徴。アカネスミレなどと 違って,写真でも毛の1本1本の識別が可能である。

何年か前にとある公園で見かけたサクラスミレは,アズマネザサが生い茂った暗いヤブ山の一角で 辛うじて息をつないでいるような状態だった。 聞いた話では,地元のいわゆる自然に親しむ会の方針で, 大々的な下草刈りや落ち葉かきができないのだという。管理が入ると昆虫の 生息場所がなくなるというのが彼らの言い分だったのだが,そもそも二次的自然は適度な 人手が加わって維持されてきたもの。少々偏った考えだといわざるをえまい。

あの株,まだ絶えずに残っているだろうか。

【生育地】 明るい落葉広葉樹林や草原など。冷涼な気候を好む
【生活史】 多年草
【分布】 北海道,本州,四国,九州
【花期】 4〜6月
【備考】 和名は,花弁の先端がしばしば凹む様子が サクラに似ていることに由来する。