ゴマノハグサ科サギゴケ属

サギゴケ

Mazus miquelii Makino f. albiflorus (Makino) Makino

サギゴケ Mazus miquelii f. albiflorus
岩手県一関市 2009. 5. 16

通常は色着きの花を咲かせる植物で稀に見られる白花の個体は,その清楚な印象のせいで注目を浴びやすい。 しかし,花色以外の特徴は標準的なタイプの個体と何ら変わりのないことが普通なので, 単なる品種,もしくは変種として扱われることが多い。そのため,和名も母種のそれに 「シロバナ」などを付け足した程度で済まされるのが普通である。

もっとも,この植物に関してはそういった通例は当てはまらないようだ。 母種である紫色の花のタイプの方が見かける頻度はずっと高いのだが,白花品も決して珍しくはない。 しかも,白鷺にも似た大きな純白の花を咲かせる様子は,大変に印象的だ。 そのためか,最近までは白花の個体を「サギゴケ」,紫色の花の個体を 「ムラサキサギゴケ」とする見解がとられてきた。和名だけみると,母種と品種の主と従が 逆転していたわけだ。

現在では,両者を区別せずにまとめてサギゴケとする考えや, 紫色をサギゴケ,白花をシロバナサギゴケとする考えの方が主流のようだ。 筆者としては,紫色の花を単にサギと呼ぶことにどうしても違和感を感じてしまうので,前者の方を支持したくなる。 南西諸島には確かにムラサキサギというサギが生息してはいるが,彼らは紫色というよりは褐色に近い色をしているのだ。

【生育地】 水田の畦,湿った明るい草地や林縁など
【生活史】 多年草
【分布】 本州,四国,九州
【花期】 4〜5月


シロバナサギゴケ Mazus miquelii f. albiflorus
岩手県一関市 2009. 5. 16